「融資」ということ

 本日、初めて融資にあたっての金融機関との面接、というものを経験した。ビジネスプランの提出などは求めず、代表個人の通帳や住居の賃貸契約&領収証といったものを用意するように受けていたこともあり、予想はしていたが、会社の取り組んでいるビジネスの評価というものは非常に比率が少なく、代表個人(つまり僕)の評価の方に非常に重きが置かれているようであった。(申し込んだ融資が、無担保・無保証人という制度のものであったことも関係しているかもしれないが・・・
 これは、ビジネスがうまくいった場合に非常に大きなリターンが得られるベンチャーキャピタルの行う「投資」と、金融機関が行う「利子」によって収益を得る「融資」の差から起因する対応の差だろうか?
 もっとも驚いたのは、最後に満額の回答は難しいだろう、という面接官の個人的な意見のあと、その理由として僕が創業を前職の途中から思い立っていた時期からためていた創業資金について、もっと熱意を見せてがんばって欲しかった、というコメントをもらったときである。僕なりに言い分(前職の創業時にも大きな出資をするためにそれなりの金額の借金をして、それを完済しないことには次の資金をためる余裕などなかったのである)はあるが、そんなものがあろうとなかろうと、それはそこまで会社の返済能力を評価するにあたって重要なことであろうか?
 僕はビジネスでもっとも大事なのは、「結果として、事を為す」ことだと思っている。だから、「為せなかった」ことについて、どんな批判も受ける。しかし、僕は現に新しく企業するために必要な資金を集めて会社を動かしている。そこに僕の出資金が多少少なかろうが、他人からの借金でそれを集めていようが関係ないのではないだろうか?
 来週回答がでるそうだが、既に期待はしていない。面接の一番最初に、通常は10期近くたった会社に対して、数百万円の担保付で融資を行うのが普通で、それでは創業支援ができないので、無担保・無保証人で750万円まで融資という制度を作ったのですが、なかなか審査が厳しくて実質難しい、といっていた。創業支援に際して、起業家のやる気を見るのもいいがもっと大事なのはその能力と、その能力が投じられるビジネスの可能性だろう。そこを見る気がないなら、制度なんて作ってもダメだろう、と感じた。
 結構、このエントリーでまともなこと(?)を書いているが、実際の面接が終わった直後は、何が起きているのか分からずに半日ボーッとしてしまった。もっと衣食を切り詰めて資金をためるべきだったのだろうか?などなど。確かに藤田田さんは毎月5万円貯金することを若い頃からずっと続けていたと書いてあったような気がする、なんてエピソードが頭を駆け巡っていた。でも、思い直しました。そういう評価軸はあってもいいとは思うが、どう考えてもそれで今の僕と僕の会社を評価するのは間違っていると。そのことを正しく伝えられなかったことは反省し、今後の同種の面接では活かしていこうと思う。